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パンを焼く
子どの頃、土曜日に家に帰ると(私が子どもの頃は土曜日は学校があった)窓辺の暖かいところで恵子さんがパンが発酵させていることがありました。恵子さんが作ってくれるのはバターロール。発酵した艶々の生地はそれだけでいい匂いがして手に乗せるとふわふわであったかくて、いつまでも触っていたいと思っていました。成形をして、卵を刷毛で塗って焼くバターロールはいくつでも食べられると思っていました。きっと3人姉弟で食べたらあっという間になくなっていたんだと思います。
私は恵子さんよりもずっと面倒くさがりなのでバターロールは焼きません。私の焼くパンは粉と塩とイーストと水だけのこれ以上ないシンプルなもの。前はオーブンで焼いていたけれどオーブンを可動させるのがなんだかもったいなくて最近はもっぱらフライパンで焼いています。ボールで捏ねて一次発酵。丸めたらフライパンで二次発酵させてそのまま焼きます。洗い物も少なく面倒な(私にとって)手順を全て省いた簡単なパン。
幸い家族も気に入って食べてくれるのでパン屋さんでパンを買うことはほとんどないし何より上手く焼けた時の幸せな気持ちは何物にも変えがたく、満足なのです。