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アバディのパン ・・・イタリア旅日記・・・
シチリアのパレルモから電車で30分ほど、バゲーリアという小さな田舎町で入ったトラットリアでのこと。
「ちょうどパンが今焼けたところ」と気のいいおじさんが出してくれたのは、粉と塩と水で焼かれたシンプルなパンでした。
表面にごまがまぶしてあって、とっても香ばしくておいしかった。
その焼きたてパンをが籠に盛って出されたとき、これから出されるであろう食事のことを考えてそれはそれは興奮したのでした。
西アフリカのナイジェリア。北のほうにある町の小さな通りアバディ。
そこにある小さなパン屋さんの一日の物語。
おしゃれなこだわりのパン屋さんがどんどんできるこのごろ。
でもパンというのは、生活の糧であり、水と同じくらいシンプルなものであるのだなと、改めて気づかされます。
木葉井悦子の自然とともに暮らす土地の人々への、限りない共感の思いと、豊かな色彩に溢れた絵本です。